Murciélago

Personam Coupé

モデルの略歴:Murciélago

2002年に発表されたMurciélago(ムルシエラゴ)の特徴は、革新性です。アウディによる買収後、ランボルギーニが初めて開発した車であり、設計段階から生産段階まで、最先端技術を利用できるというアドバンテージを活かし、既にランボルギーニ車で固有の特徴を一層際立たせています。

まず特筆すべきなのは、MurciélagoがCAD-CAMシステムを使ってフル設計された初めてランボルギーニだということです。これにより、これまで不可能だった公差を可能にし、特に寸法的な精度が保証できるようになりました。これはつまり、左右の部品に寸法差がないということです。さらにMurciélagoは、自社のチェントロ・スティレで一からデザインされた初のランボルギーニでもあります。当時デザイナーであったルク・ドンカーヴォルケが担当し、設計の初期段階から、通常タイプとオープンカータイプの両方が計画されていました。Murciélagoの登場により生産台数が大幅に増加し、2010年までに4,099台が生産されました。これには、レース仕様のR-GT、R-SVをはじめとする複数のシリーズが含まれます。

Murciélagoのデザイン

Murciélagoのデザインは、ランボルギーニを現代的なスタイルへと導きつつ、過去との強い結びつきもまた維持するものになっています。ルク・ドンカーヴォルケが、白紙の状態から特別な制約なしにデザインできるという、カーデザイナーとして極めて稀なチャンスを得たことは事実です。そして、そのデザインから生まれた車が、確かに現代的で近代的でありながらも、ランボルギーニのDNAを継承し、サンタアガタ・ボロニェーゼで生産される12気筒スーパースポーツカーとして一目でわかる特徴を有した新モデルだというのも事実です。スタイリング面でも技術面でも注目に値するエンジン用エアインテークは、温度に応じて自動開閉する仕組みです。

Murciélagoの技術

Murciélagoはデビュー当時、最高出力580CVの6.2リッターエンジンを搭載していました。12気筒、DOHC、気筒あたり4バルブのエンジンは、縦置きリアミッドシップのレイアウトを採用。トランスミッションが「前方」に配置され、実質的に車室内にあるため、ホイールベースを短く維持しながら重量バランスが最適化されています。Murciélagoの初期シリーズでは、セミオートマチックトランスミッションの代わりに、6速マニュアルトランスミッションをオプションで選ぶことができました。駆動方式はパーマネント式四輪駆動で、ビスカスカップリング式センターディファレンシャルが採用されていました。

Murciélagoとライフスタイル

バットマンシリーズの一作である2008年の映画『ダークナイト』には、クリスチャン・ベール演じる主人公が休日に使用する自家用車としてMurciélago LP 640が登場します。多くの人が指摘するように、もはや、バットマンが別の車を運転するなど想像できません。その名前すら、バットマンのために付けられたのではないかと思えくるほどです。スペイン語で「Murciélago」は、闘牛の品種を指すだけでなく、実はコウモリを意味しているのです。Murciélagoの生産台数は増加し、2010年に生産が終了されるまで、R-GTとR-SVのレース仕様を含む数多くのシリーズが登場し、合計4,099台が生産されました。